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昨日は、私の職場のご近所にある某派の事務所にお招きに預かり、御党首をはじめに、なかなかにりっぱな労働者のメンバーたちと、まじめな話から夢語りまで、こってりしてきました。有意義な時間でした。
私がかつて属した党派ではありませんから、モノの見方や感覚の違いやらは、当然、あります。
けれども、「今の世の中、情勢をどうみるのか」「いま何が必要なのか」と、いったことは、ずいぶん、問題意識が重なりあっていたことに、少し驚きました。
彼らも、試行錯誤。
むろん、私も、あれからこのかた、ん十年も試行錯誤やら寝たままやら、トンチンカンやら。
「総括」なんておこがましいことは、できる力も私にはないのでありますが、やはり、考えてみることは続けています。
互いに、いまの「混迷」「混乱」「試行」を率直に語れる仲になれることが、やはり大事だなと、思ったのでありました。
「自分たち(だけ)が正しい」と言ってすまされない状況になったこと、主体がボロボロの少数になったことを、むしろ私は、ありがたいと思います。
ようやく、いろんな考えの人が寄り集まって、協同する必要が出てきたこの事態こそ、よろこぶべきなのではありますまいか。
管制塔占拠闘争を振り返るのも、そんな脈絡の上にあればいい。そう勝手に思っております。
かの派の人々も、3・26に参加しておりました。けれど、実力闘争から少し身を引いて、逮捕者を出さぬという方針だったそうです。
でも、そんなことを言ったところで、現場で血湧き肉躍れば、当然、そうはいかんもんです。
菱田小学校から出陣して、周辺でデモという方針でも、頭かっときた労働者を、数人、逮捕されてしまったのだそうです。
「ああいうときって、中途半端な方針がかえって被害を大きくするんですよねぇ」とわたくし。
「んだんだ」と、御党首。
昔なら、「ほらほら、日和見主義者のお嘆きね」と、言いかねないところなのですが、すこ〜し大人になってしまったわたくしは、なにやら同情のような共感のような妙な心持ちなのでありました。
空港内に突入した本隊、8ゲート部隊は、争乱型肉弾戦の最中において、逮捕者は意外に少なかったようです。
「突入させたら全滅するぞ」と、いう司令部内の声は、実は正しくなかったのでした。
*牧歌的な光景*
大森●「行く!」と決めて進んでいくと、左横にプレハブの機動隊宿舎が何棟も見えてきた。勤務を終えた機動隊が宿舎で休息してるわけだけど、彼らは下着のまま出てきて、楯を構えていた(笑)。
佐々木●宿舎と道路の間には鉄条網があって、真上を飛んでるヘリコプターからは「マル暴接近、マル暴接近、起きろ」というアナウンスが流れていた。マル暴とは突入部隊のこと。そのアナウンスを聞いて宿舎から機動隊員が続々と出てきた。彼らはズボンだけはいて、上は下着のまま。その格好で楯だけもって飛び出してきた。
吉鶴●僕たちは、そのまま通り過ぎたよね。
大森●機動隊は催涙弾を撃つわけでもなく、ただただ慌てているだけ。8ゲートに向う途中には鉄条網のバリケードがあった。8ミリフィルムの映画『大義の春』では、格好よくペンチで切断されているように映っているけど、そんなに簡単ではなかった。
佐々木●切断して突入路を作るわけだが、簡単にはいかない。そこでラッセル車でゲートごと踏みつぶしたら、それが成功した。それ以降のバリケードはすべて、この方式で突破していった。
大森●もうすこし行くと完全装備の機動隊がいたでしょ。
佐々木●場所は空港内の駐車場で、部隊は神奈川県警の機動隊だった。
大森●ゲート突入寸前の牧歌的な記念写真があったよね。ラッセル車を中心にして、部隊が勢ぞろいしている写真。
高橋●あの写真は、すでに8ゲートのなか、入ってすぐの場所です。
大森●あの場面では、空港清掃員のおばちゃんたちが5〜6人、竹箒を持って、われわれの前を通り過ぎた(笑)。空港では煙が上がっているし、われわれは異様な格好をしているのに、別に驚いた様子も見せなかったおばちゃんたちを、今でも不思議な光景として覚えているね。その後、神奈川県警の姿が見えたので、届かなかったけれども、僕が火炎瓶を1本、投げさせてもらった。
高橋●駐車場脇にいた機動隊の大部隊は、けっきょく動かなかったね。
大森●あれは警察の統制がとれなくなっていただけではなくて、「ここを守っていればいい」という保身からだったのかな。
佐々木●あの部隊は、神奈川県警の方面機動隊で、普段訓練を積んでいる部隊ではなかった。
前田●管制塔の裁判過程でわかったことだけど、9ゲートから突入されて混乱した警察も、いったんは混乱も収まった。ところが今度は管制塔のなかにわれわれが突入してしまった。その結果、三井警備本部長をはじめとする警察幹部は、警備本部から逃げ出した。そのため警備本部には誰もいなくなって、警備部隊が指示を仰いでも対応する責任者がいなかったわけです。そうすると、警察の各部隊は自分で判断するしかない。しかし、警察は自分で判断する訓練をしていないから、動きようがなかった。僕たちは管制塔の上から見ていて、機動隊の大部隊が3つ、固まって存在しているのに、何で動かないのか不思議でならなかった。
大門●警備本部が崩壊して、もう横の連絡もできなくて、指令も出ない。その結果、われわれの方も警察の動きを読めなくなった。8ゲート部隊に「突っこめ」と指示を出したのも、警察無線によって機動隊がわれわれの部隊を阻止できないと判断できたからだ。ところがそれ以降、警察側はなんの指令も出さない。だから私たちも情報を得られなくなってしまった。
*偶然の連鎖*
大門●警察は当初、8ゲート部隊は横堀要塞に向うと考えていた。2月要塞戦の経験で、反対同盟が要塞に籠城しているのはわかっていたから、支援部隊はそこに向うだろう、と。だから阻止線は、その方面に集中していたし、機動隊の精鋭もそこに集まっていた。それが彼らの間違いのはじまりだったわけです。
佐々木●2月の要塞戦があったから、そのような錯覚を作り出すことができたんだよ。
大森●前日の25日から、要塞屋上に鉄塔を立てはじめたじゃない。それを見た警察が「ここがメインステージだ」と考えるのは、当然だよ。
高橋●話を先に進めると、駐車場内にいる機動隊の前にフェンスがある。われわれの部隊はやる気満々だから、フェンスによじ登って「行くぞー!」って気勢をあげる。そうすると機動隊は、団扇で煽られたように楯を担いで後退する。それを見て、「やる気がまったくないな」と感じたね。
吉鶴●8ゲートに突入してすぐの場所が十字路になっていて、トラックで左に曲がると、すこし遅れて機動隊がきましたね。
大森●整列して「さあ、行こう」というときに、トラックだけがスルスルと前に行ってしまった。トラックの部隊は武器を持っていない。「えー、どうするの?」と思った。
佐々木●トラックに乗っていたのは吉鶴君など、管制塔突入のためのマンホール入りに失敗したグループ。ひたすらパクられるために、先を急いだんじゃないの?
吉鶴●僕たちは、トラックに乗っていることが任務だったんだけど、あの局面では一歩、先に行ってしまった。本当はすぐに曲がって管制塔の下に出る予定だったのが、警備本部の正面玄関に出てしまった。警備本部を守っていた制服警官は全員、8ゲート突入の本体が自分たちのほうに来ると考えたので、ピストルをぬいて構えていた。トラックには大館さんや高橋さんなど、パクられてはいけない人たちが何人か乗っていたので、彼らを一度、トラックから降ろした。
佐々木●十字路に出る手前で1回止まって、降りたよな。
吉鶴●そのあとは突っこむわけです。しかし、長時間の行軍なので疲れきった連中がいて、彼らを拾った結果、トラックには10人くらいが乗っていた。そのあとで、まちがえて警備本部前に突っこんでしまった。その瞬間、撃たれた。パン、パン、パンという乾いた音が響いて、「なんだろう」と思ったら、それがピストルの発射音だった。
(『1978・3・26 NARITA』より)
♪とっても赤ヘルにゃかなわなぁ〜い
バンバン ババババ ババババン
お巡りさんがスパイダースのファンだったかどうかは、定かでない。